たわらノーロード全世界株式の失敗が、信託報酬の引き下げ競争の抑止力にならないか心配です。

懸念

インデックスファンドを選ぶときに重要視されるのが、信託報酬の安さです。

これまで、インデックスファンドは様々な運用会社によって設定され、どこかの会社が信託報酬の安いインデックスファンドを設定すれば、別の会社がさらに安いインデックスファンドを設定するといった形で、激しい信託報酬の引き下げ競争が繰り広げられてきました。

その結果、どんどん信託報酬が下がっていき、私たちのような一般のインデックス投資家も、その恩恵を受けてきたのです。

しかし、2019年夏、その信託報酬の引き下げ競争が終わってしまうのではないかと心配してしまうような出来事がありました。

どういうことなのか、解説していきたいと思います。

たわらノーロード全世界株式の失敗が、信託報酬の引き下げ競争の抑止力にならないか心配です。

2019年夏、何が起こったかというと、信託報酬の引き下げ競争を挑んだインデックスファンドがまったく売れず、事実上、完全敗北してしまったのです。

このことにより、各社が信託報酬の引き下げ競争を仕掛けるのを、自重してしまうのではないかと考えています。

たわらノーロード全世界株式が信託報酬引き下げ競争を挑むも、敗北。

これまで、全世界株式に投資をするファンドとしては、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)が、信託報酬0.142%(税抜)で最安値でした。

しかし、そこに、0.12%(税抜)の信託報酬で殴り込みをかけたのが、たわらノーロード全世界株式です。

これにより、全世界株式の信託報酬最安値ファンドは、たわらノーロード全世界株式になる「はず」でした。

ところが、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は即座に同水準への信託報酬の引き下げを発表。

これにより、強みを失ったたわら全世界株式(オール・カントリー)は、売れ行きがふるわない状態が続いています。

たわらの失敗事例を教訓に、各社、信託報酬の引き下げ競争を自重すると予想。

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)に真っ向から信託報酬の引き下げ競争を挑んだものの、すぐに追随され、売り上げが伸びなかった「たわらノーロード全世界株式」。

この事例から、各社、

「単純に信託報酬の引き下げ競争を挑んでも、eMAXIS Slimシリーズに潰される。他社よりも少し安い信託報酬を打ち出して、顧客を囲い込んでいく時代は終わった。」

と感じているのではないでしょうか。

ボクシングに例えるならば、パンチを出したいけれど、パンチを出すとカウンターを当てられるので、怖くてパンチが出せない状態みたいなものです。

これにより、eMAXIS Slimシリーズの存在が、事実上の価格競争の抑止力になってしまうのではないかと懸念しています。

そうなった場合、インデックスファンド業界は、次のように変わっていくのではないかと予想しています。

eMAXIS Slimが市場を独占。ニッチ分野で数社が生き残る。

eMAXIS Slimシリーズを展開する三菱UFJ国際投信は、すでにインデックスファンド市場のシェア1位を獲得しています。

この三菱UFJ国際投信に、後発組が真っ向からコスト勝負を挑んでも、資産規模で劣る後発組が勝つのは難しいでしょう。

よって、ネット証券経由で購入する低コストインデックスファンドの需要は、今後、eMAXIS Slimシリーズが独占していくことになると思います。

一方で、バンガード社と提携し、バンガードブランドを前面に打ち出した楽天投信投資顧問のような個性派や、ネット証券を使えない人たちの窓口販売需要に対応したファンドが、ニッチ分野で生き残る。

そんな構図になっていくのではないでしょうか。

eMAXIS Slimシリーズが支配者となった後は、受益者に還元する姿勢を示してほしい。

このまま他社が有効な手立てを打つことができなければ、eMAXIS Slimシリーズによるインデックスファンド市場の独占の流れは止められないと思います。

そうなれば、必然的に信託報酬の価格競争も終わり、安定して資金が流入してくるeMAXIS Slimシリーズは、利益も上げられるようになるでしょう。

そうなった時、eMAXIS Slimシリーズには、信託報酬を引き下げる動機はもはやありません。

しかし、そうなった時こそ、これまで支持して購入を続けてきたファンド保有者のために、一定の資産規模に到達すれば、さらなる信託報酬の引き下げを行うという姿勢を貫いてほしいと思います。

そうすれば、投資家の信頼は確固たるものになり、他社は付け入る隙がないと判断し、個人や法人のあらゆるメディアが、eMAXIS Slimシリーズを自信を持って新規購入者にすすめるようになるでしょう。

まとめ

eMAXIS Slimシリーズが「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」と宣言する中、たわらノーロード全世界株式が果敢に信託報酬引き下げ競争に挑みました。

しかし、その結果は惨敗と言えるような内容で、売り上げはふるいませんでした。

おそらく、これを見た他社は、「eMAXIS Slimシリーズ半端ない。価格競争を挑むのはやめておこう。」という気持ちになっているのではないでしょうか。

このことにより、eMAXIS Slimシリーズという存在そのものが、今後の信託報酬の引き下げ競争の抑止力になってしまうのではないかと考えています。

そうなると、私たち投資家は、運用会社同士の「価格競争の恩恵」を、今後受けることができなくなってしまうという恐れがあります。

そこで、eMAXIS Slimシリーズが市場を支配した暁には、ぜひとも、運用残高に応じた利益還元をお願いしたいと思います。

そのことが、投資家の信頼をより強固なものにし、eMAXIS Slimシリーズの地位を万全なものにすると信じています。

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)徹底レビュー一覧へ戻る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください