インデックス投資の出口戦略とは?最後に暴落が来たらどうする?

インデックス投資の出口戦略

インデックス投資をしている人は、働いている間は、給料を貯めてインデックスファンドに投資をして、資産を増やしていくことができます。

しかし、いつか仕事も退職し、それまでに貯めた資産を切り崩して生活する時期が必ず来ます。

その時に、投資していたインデックスファンドをどのように解約し、現金化して使っていくかという戦略が、インデックス投資の出口戦略と呼ばれるものです。

この記事では、インデックス投資歴10年の筆者が、インデックス投資の出口戦略について、次の事項を中心に解説します。

  • インデックス投資のおすすめ出口戦略
  • 代表的な出口戦略「定率崩し」についての見解

それでは、さっそく見ていきましょう。

インデックス投資のおすすめ出口戦略

インデックス投資のおすすめ出口戦略

私のインデックス投資の出口戦略は、とてもシンプルです。

それは、現金70%・全世界株式30%というアセットアロケーションを維持しながら、必要な時に必要なお金を使っていくというものです。

私は、現金70%・全世界株式30%というアセットアロケーションを推奨しています。

インデックス投資のリスク管理インデックス投資のおすすめアセットアロケーション。リスク管理はこれで万全!

このアセットアロケーションを維持しながら、必要な時に、必要な金額を使っていけば良いと考えています。

その理由について説明しますね。

出口戦略に現金70%・全世界株式30%のアセットアロケーションが使える理由

インデックス投資の出口戦略、つまり、資産取り崩しの時期にも、現金70%・全世界株式30%のアセットアロケーションが使えると考える理由は、次の2つです。

  1. もともとリスクを抑えてあるアセットアロケーションだから
  2. 現代社会は引退後の生活も長いから

順番に見ていきましょう。

①もともとリスクを抑えてあるアセットアロケーションだから

インデックス投資は一般的に、若い時期は積極的にリスクを取り、高齢になるほどリスクを抑えるべきと言われています。

なぜなら、若い人ほど将来獲得する賃金が多く、長期投資する時間も残っているからです。

例えば、ウォール街のランダム・ウォーカーでは、20代半ばの投資家は、株式を70%持つべきとされています。

一方、60代後半以降の投資家が持つべき株式は、40%となっています。

私が推奨しているアセットアロケーションの株式の割合は30%ですから、ウォール街のランダム・ウォーカーが推奨する60代後半以降の株式割合よりもさらにリスクが低くなっています。

これなら、投資に慣れていない日本人でも、安心して運用できるでしょう。

②現代社会は引退後の生活も長いから

「年を取ってからリスクを取るのは怖い!いっそのこと全部現金にしてしまった方が安心では?」と思うかもしれません。

しかし、現代社会は、昔と違って、長寿命化によって引退後の生活もどんどん長くなっています。

例えば、男性の場合、1970年の平均寿命はおよそ70歳でした。

それが、2018年には、81.25歳まで伸びています。

これに対応するため、最近は定年を60歳から65歳にする動きも活発ですが、それでも引退後、多くの人は20年近くの時間があるわけです。

20年というと、運用期間としてはかなりのものになります。

この20年という運用のチャンスを逃すのは、高齢期とはいえもったいないです。

さらに、最近、色々な商品がどんどん値上げをしている割に、銀行にお金を預けた時の金利はちっとも増えないと感じていませんか?

このような状況下では、現金の価値が下がっていると言えます。

20年もの時間があれば、物価は大きく変わっていきます。

その時に、全財産を現金にしていて、本当に安全でしょうか?

私は、少しの割合を株式にしておく方が、資産の価値を守るという点では、むしろ安全だと考えています。

必要な時に必要な金額を使うしかない

誰もがいつかは引退し、老後は年金の収入に頼って暮らすことになります。

そして、年金が足りない場合は、これまで貯めてきた資産を切り崩して使っていくことになります。

もらえる年金の額も世帯によって異なりますし、どの程度資産を切り崩す必要があるかは人それぞれです。

「ほとんど切り崩す必要がないから、数年に1回だけ切り崩し、海外旅行に行きたい」という人もいるでしょうし、「毎月切り崩していかないと生活が成り立たない」という人もいるでしょう。

資産を切り崩していかないと家賃も払えない人に「そんなに切り崩してはダメですよ」と言っても意味がないのと同様に、切り崩す必要がない人に「もっと切り崩してください。」というのもまた、無意味です。

結局は、各人が、必要な時に、必要な金額を切り崩していくほかないでしょう。

代表的な出口戦略「定率崩し」について

インデックス投資の出口戦略「定率崩し」

インデックス投資の有名な出口戦略に、「定率崩し」というものがあります。

これは、現役時代に投資していたインデックスファンドを、「毎年〇%」という形で定率で取り崩していくというものです。

この方法は、投資のバイブル「ウォール街のランダム・ウォーカー」でも紹介されていることから、インデックス投資家の間では、もっともスタンダードな出口戦略として認識されています。

私は、この定率崩しという出口戦略は確かに参考にはなると考えています。

しかし、実践するとなると、あまりうまく行かないのではないかとも考えています。

どういうことなのか、詳しく見ていきましょう。

なぜ定「率」で取り崩すのか

毎月10万円など、決まった金額を毎月取り崩すのがわかりやすいですよね?

そうではなく、%という割合で取り崩すことが推奨されているのはなぜでしょうか?

それは、インデックスファンドで運用している資産を、できるだけ減らさないためです。

例えば、暴落で資産が減っている時にたくさん取り崩してしまうと、資産が一気に減ってしまいますよね。

でも、定率であれば、暴落で資産が減っている場合はちょっとしか取り崩せないので、資産が一気に減ってしまうのを防げるというわけです。

何%取り崩せば良いの?

それでは、いったい何%を取り崩せば良いのでしょうか?

「定率崩し」の出口戦略を紹介しているウォール街のランダム・ウォーカーでは、毎年資産の4%を取り崩す、4%ルールが提案されています。

ウォール街のランダム・ウォーカーがなぜ4%ルールを推奨するのかを説明しましょう。

歴史上、株式は年平均7%、債券は年平均4%のリターンが期待できるため、株と債券を50%ずつ保有するアセットアロケーションで運用すると、年平均5.5%のリターンが期待できます。

ただし、インフレが年間1.5%で進行すると仮定すると、お金の価値を維持するためには、投資の元本を1.5%増やしておかないといけないということになります。

よって、あなたが持っている投資資産の実質的な年間リターンは、

5.5%(期待リターン)-1.5%(予想インフレ率)=4.0%

ということになり、「1年で4%までなら取り崩しても、理論上、あなたの資産は減らないよ」ということになるからです。

おすすめのアセットアロケーション(現金70%・全世界株式30%)だとどうなる?

ウォール街のランダム・ウォーカーが示した4%ルールは、株式と債券が50%ずつというアセットアロケーションで、さらにアメリカのインフレ率をもとに計算されたものです。

それでは、私がおすすめしている現金70%・全世界株式30%のアセットアロケーションで、日本で暮らしている場合は、いったい何%取り崩すことができるのでしょうか。

アメリカでは、債券が年に4%のリターンが期待できると見積もられていましたが、日本の債券ではとてもそんなリターンは期待できません。

日本の個人向け国債は、現在わずか0.05%程度のリターンになっています。(変動10年)

利率の良いネット銀行の預金もだいたいそれに近いでしょう。

その代わり、インフレ率もアメリカのように1.5%なんて高い数字ではありません。

現在、日本の予想インフレ率(ブレーク・イーブン・インフレ率)は、0.121%となっています。(参考:財務省

株式の期待リターンは、ウォール街のランダム・ウォーカーと同じく、7%を使うことにしましょう。

以上の条件で1年間に取り崩せる資産割合を計算すると、次のようになります。

2.135%(期待リターン)-0.121%(予想インフレ率)=2.015%

というわけで、私がおすすめするアセットアロケーションだと、2%ルールが最適だという結論になりました。

注意!「だったら株式の割合を増やそう」という考えは危険!

「たった2%しか取り崩せないのか~。だったら、期待リターンを上げるために、株式の割合をもっと上げようかな~。」なんて考えている人は要注意です。

なぜなら、株式の割合を上げれば上げるほど、暴落が発生した時は、資産の金額そのものが大きく減ってしまうからです。

例えば、リーマンショックのような、50%も株価が下落する大暴落が発生したとしましょう。

あなたは2000万円を運用していたとします。

株式100%のアセットアロケーションであれば、あなたの資産は1000万円まで減ってしまいます。

そこから、期待リターンである7%、およそ70万円を取り崩すわけです。

そんなの精神的に耐えられますか?

私がおすすめする現金70%・全世界株式30%のアセットアロケーションであれば、この大暴落を受けても資産は1700万円です。

そこから期待リターンである2%、およそ34万円を取り崩します。

どうですか?安心感が段違いでしょう?

しかも、資産を取り崩しているということは、これから働くことができない、人生の終盤だということを忘れてはいけません。

実際の生活は理屈通りにはいかない

以上が、インデックス投資家の中でもっとも有力な出口戦略となっている「定率崩し」の考え方です。

実に筋が通っている、完璧な戦略だと思います。

しかし、実際の生活は理屈通りいかないことが多いです。

例えば、子供がいよいよ結婚することになり、資金援助をしてやりたい!となった時、どうしますか?

たくさんの金融資産を抱えながら、「2%ルールだから、お前を援助してやることはできないんだ・・・。」なんて言う親はいないでしょう。

台風で家が壊れて修理したい時はどうしますか?

「2%ルールでは修理費が足りない・・・。よしっ、このまま壊れた家に住もう!」という人はかなりの変人ですね。(;^ω^)

退職した記念に海外旅行に行きたいと考えている人はどうでしょう?

「退職した記念に海外旅行に行きたいなぁ。あっ、でも2%ルールだった!取り崩しのお金を貯めて、20年後くらいに行こうか。」なんてことになります?

85歳で退職記念旅行に行くより、今行った方がいいですよね?

また、株価が暴落したからといって、生活費はそれほど変わりません。

「暴落して資産が減ったから、取り崩せる額が減ってしまった・・・。家賃が払えない・・・。」

もう、ルールを超えて取り崩すしか道はないでしょう。

このように、実生活では理屈通りにはならない場面がたくさんあります。

そういう時は、〇%ルールに縛られず、必要な時に、必要な金額を使うしかないはずです。

ただし、だからと言って、好き放題に贅沢をしていれば、あっという間に資産は底をついてしまいます。

生活費をコントロールするために、資産を維持するためには、取り崩せる金額は1年で2%ほどであるという知識は、十分に活用したいところです。

インデックス投資の出口で暴落が来たらどうする?

インデックス投資の出口で暴落が来たら?

インデックス投資の出口戦略でたくさんの人が心配しているのが、「インデックス投資の出口で暴落が来たらどうしよう?」ということです。

20年・30年と積み立て投資をしてきて、「いよいよ投資した資金を解約しようという時に、リーマンショックみたいな大暴落がドーンと来たら大損しちゃう!」と心配しているわけですね。

結論から言うと、まったく心配する必要はありません。

どうしてインデックス投資の出口で暴落が来ても大丈夫なのか、説明しますね。

出口戦略も長期戦!取り崩している間に回復する!

「インデックス投資の出口の前に暴落が発生して大損したら大変だ!暴落が発生する前にうまく売らなければ!」と心配している人は、出口戦略を勘違いしています。

次のグラフを見てください。

インデックスファンドの取り崩し

これは、リーマンショックによる株価暴落の発生から2020年までの、先進国株式インデックスファンドの価格推移です。

もともと10000円だった価格が、リーマンショックの発生で、60%減の4000円近辺まで値下がりしてしまいました。

この時にちょうど仕事の引退を迎え、投資していたインデックスファンドを全解約すれば、大損してしまうでしょう。

しかし、すでに見てきたように、私がおすすめするインデックス投資の出口戦略は、積み立て時期が終わったからと言って、全解約するわけではありません。

全資産の2%を目安に、毎年少しずつ取り崩しながら、積み立てが終わった後も、投資を続けていくのです。

その結果、株式市場はどうなっているでしょうか?

少しずつ取り崩していく間に、株価は回復するどころか、暴落前の株価も大きく超えて成長していますよね。

インデックス投資の出口で暴落が発生したとしても、そこから10年・20年と投資を続けながら解約していく中で、十分リカバリーが可能なのです。

インデックス投資の出口戦略まとめ

インデックス投資出口戦略のまとめ

日本で個人がインデックス投資を実践できる環境が整ったのは、ここ10年くらいのことです。

そのため、インデックス投資の出口戦略を実行している人はまだまだ少ないのが現状。

インデックス投資家たちの間でも、熱い議論が交わされている途中の段階です。

そんな中、私の考える出口戦略はシンプルです。

  • 引退したら、年金をもらいながら、できるだけ年金の範囲で暮らす。
  • 現金70%・全世界株式30%のアセットアロケーションで運用を続ける
  • 自分の保有資産の状況を見ながら、必要なお金は必要な時に使う
  • 資産を維持するためには、年間2%までしか取り崩せないことを知っておく

こうして見てみると、「給料」が「年金」に変わっただけで、現役時代と正直何も変わらないなと思います。

ぜひ、みなさんの出口戦略の参考にしてください。

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