
こんにちは。FP3級に93%の得点で合格した針井です。
- 6つの係数の意味がわからない!
- 6つの係数が覚えられない!
- 6つの係数問題は捨てようと思っている…。
私がFP3級の勉強を始めた時、最初にぶつかった壁が6つの係数です。
どうしても覚えることができず、「6つの係数問題は捨てよう」と考えていたある日、6つの係数を覚えずに解く方法があることを知りました。
この方法により、「捨てよう」と思っていた6つの係数問題を、「絶対に間違えない」得点源に変えることができたのです!
この記事では、私と同じように6つの係数で苦しんでいる人のために、6つの係数を覚えずに解く方法を解説します。
この方法を使って、あなたも6つの係数問題を得点源にしてくださいね!
【裏技】6つの係数を覚えずに解く方法


6つの係数問題は、6つの係数を覚えていなくても、次の2ステップで解くことができます。
- 利率を考えずに係数を計算する
- 各種係数を見る
例題を使って解説していきますね。
【例題】(2018年9月学科試験)
Aさん(50歳)は、現在から10年間、毎年一定額を積み立てて、老後資金として1,000万円を準備したいと考えている。この場合、必要となる毎年の積立金額は( )である。なお、毎年の積立金は、利率(年率)2%で複利運用されるものとし、計算にあたっては下記の<資料>を利用するものとする。
現価係数 | 減債基金係数 | 資本回収係数 |
0.8203 | 0.0913 | 0.1113 |
- 748,934円
- 820,300円
- 913,000円
利率を考えずに係数を計算する
この問題のポイントを整理すると、下記のようになります。
- 最終的に1,000万円を積み立てる
- 積立期間は10年
- 積立金は年率2%で複利運用
- 毎年の積立金額を求める
計算がややこしくなる原因は、積立金を「年率2%で複利運用する」という条件です。
そこで、まずは利率を無視して、1,000万円にかける係数を計算してみましょう。
利率を考えずに係数を計算すると、次のようになります。
1÷10(積立期間10年)=0.1
利率を考えなければ、毎年の積立金額は1,000万円×0.1=100万円ということがわかりました。



10年かけて積み立てるから、1年で積み立てる金額は10分の1だよ。
各種係数を見る
利率がなければ、1,000万円にかける係数は0.1だということがわかりました。
しかし、実際には2%の利率があり、利息をもらいながらお金を貯めていくことになります。
そこで、



利息がもらえる分、係数(積み立てるお金)は0.1よりちょっと少なくてOKだな。
ということがわかります。
それをふまえた上で、<資料>の各種係数を見てください。
現価係数 | 減債基金係数 | 資本回収係数 |
0.8203 | 0.0913 | 0.1113 |
現価係数は0.8と、0.1よりもめちゃくちゃ大きいから、絶対に違います。
資本回収係数は0.11と、0.1よりも大きい数字なので、惜しいけどこれも違う。
減債基金係数は0.09なので、



利息がもらえる分、係数(積み立てるお金)は0.1よりちょっと少なくてOKだな。
というさっきの条件にピッタリですね。
そこで、この問題で使う係数は、「減債基金係数の0.0913」だということがわかりました。
答え:1,000万円×0.0913=913,000円



6つの係数を覚えてないのに解けちゃった!
6つの係数は覚えなくても解ける!
このように、6つの係数を覚えなくても、係数の計算問題は解くことができます。
- 利率を考えずに係数を計算する
- 各種係数を見る
問題をややこしくしている原因は利率の計算なので、それを無視してやれば簡単に解くことができます。
6つの係数をしっかり覚えている人も、自分の答えを確認するために、上記の方法を試してみることをおすすめします。
【裏技】6つの係数問題 実践解説


6つの係数問題を解く裏技を使えば、すべての計算問題を解くことができます。
どんな時も、使う方法は1つ。
- 利率を考えずに係数を計算する
- 各種係数を見る
もう1問解きながら、確認していきましょう。
【例題】(2019年9月学科)
元金3,000万円を利率(年率)1%で複利運用しながら、15年間にわたって毎年均等に取り崩して受け取る場合、毎年の受取金額は( )である。なお、計算にあたっては下記<資料>の係数を使用して算出するものとする。
終価係数 | 減債基金係数 | 資本回収係数 |
1.1610 | 0.0621 | 0.0721 |
- 1,863,000円
- 2,163,000円
- 2,322,000円
利率を考えずに係数を計算する
この問題のポイントを整理すると、下記のようになります。
- 3,000万円を毎年均等に取り崩す
- 取り崩し期間は15年
- 元金は年利1%で複利運用
- 毎年の受取金額を求める
計算がややこしくなる原因は利率の計算でしたよね。
そこで、まずは利率を無視して、3,000万円にかける係数を計算します。
利率を考えずに係数を計算した結果は、次のとおり。
1÷15(取り崩し期間15年)=0.066…
利率を考えなければ、毎年の受取金額は3,000万円×0.066…=199.9…万円となりますね。



15年で取り崩すから、1年で受け取れる金額は15分の1だよ。
各種係数を見る
利率がなければ、3,000万円にかける係数は0.066…だということがわかりました。
しかし、実際には1%の利率があり、利息をもらいながらお金を取り崩していくことになります。
そこで、



利息がもらえるから、係数(取り崩すお金)は0.066…よりちょっと多いはずだ!
ということがわかります。
それをふまえた上で、<資料>の各種係数を見てください。
終価係数 | 減債基金係数 | 資本回収係数 |
1.1610 | 0.0621 | 0.0721 |
終価係数は1.16と、いくらなんでも大きすぎるから違うっぽいですね。
減債基金係数は0.0621で、0.066よりちょっと「少ない」からダメ。
資本回収係数は0.0721なので、



利息がもらえるから、係数(取り崩すお金)は0.066…よりちょっと多いはずだ!
というさっきの条件にピッタリです。
よって、この問題で使う係数は、「資本回収係数の0.0721」だということがわかりました。
答え:3,000万円×0.0721=2,163,000円



問題のパターンが違っても、同じ方法で解けたね!
裏技は6つの係数すべてで通用する!
これまで見てきたように、6つの係数を覚えていなくても、6つの係数を使った計算問題は解くことができます。
ややこしくなる原因の利率を無視して、自分で係数を計算すれば、自然と答えが導けるからです。
方法はいつも次の2つだけ。
- 利率を考えずに係数を計算する
- 各種係数を見る
この裏技を使って、6つの係数問題を得意問題にしてくださいね!
6つの係数 練習問題


これまで、「減債基金係数」と「資本回収係数」を使う問題を解説してきました。
6つの係数問題を解く裏技は、他の係数を使う問題でもしっかり通用します。
下記の練習問題を解いて、しっかりマスターしてください。
練習問題①
【問題】(2013年1月学科試験)
利率(年率)2%で複利運用しながら10年間にわたって毎年500,000円ずつ積み立てた場合の10年後の元利合計額は、下記の<資料>を利用して計算すると、( )となる。
終価係数 | 年金現価係数 | 年金終価係数 |
1.2190 | 8.9826 | 10.9497 |
- 4,491,300円
- 5,474,850円
- 6,095,000円
練習問題②
【問題】(2016年1月学科試験)
利率(年率)3%の複利で6年間にわたって毎年40万円を返済する計画により、自動車ローンを組む場合、借入可能額は、( )となる。なお、計算にあたっては下記の<資料>を利用するものとする。
年金現価係数 | 年金終価係数 | 終価係数 |
5.4172 | 6.4684 | 1.1941 |
- 2,166,880円
- 2,587,360円
- 2,865,840円
「6つの係数問題」を解く裏技が通用しない問題


これまで見てきたように、利率を無視して自分で係数を計算するという裏技を使えば、6つの係数をまったく覚えていなくても、6つの係数の計算問題を解くことができます。
しかし、実はこの裏技が通用しない出題パターンも存在するのです。
そこで、6つの係数問題を解く裏技が通用しない出題パターンと、その対策について解説していきます。
「6つの係数問題」を解く裏技が通用しない出題パターン
6つの係数問題を解く裏技が通用しないのは、次のような出題です。
【問題】(2019年1月学科試験)
現在保有している資金(元金)を一定の利率によって複利運用しながら毎年一定金額を一定の期間にわたり取り崩していくときの毎年の取崩し金額を計算する場合、資金(元金)に乗じる係数は、( )である。
- 資本回収係数
- 減債基金係数
- 年金終価係数
このように、「6つの係数の定義そのものの知識」を直接問われる問題だと、先ほどの裏技が通用しません。
単純に、知っているか知らないかの話になってしまうからですね。
この問題を解くためには、残念ながら「6つの係数」を覚えるしかありません。



残念ながらこの問題の裏技は無い!
「6つの係数」を覚えていないと解けない問題の対策
「6つの係数」を覚えていないと解けない問題の対策は、残念ながら「覚える」しかありません。
6つの係数を覚える方法については、オンライン通信講座の「オンスク.JP」がYoutube動画を公開しているので、このような動画を繰り返し見て、覚えるようにしましょう。
ただ、「6つの係数をどうしても覚えられないからこの記事を見てるんだよ!」という人もいますよね。(汗)
そういう人は、思い切って「裏技で解けない6つの係数問題は捨てる」という方法もアリだと思います。
6つの係数問題がまったくできなかったのに、計算問題なら確実に解けるようになったのであれば、それは大きな進歩です。



出題頻度も計算問題の方が多いしね。
「6つの係数」は覚えた方が対応範囲が広い
「6つの係数」は、覚えた方が対応できる問題の範囲は当然広くなります。
最頻出の計算問題は「6つの係数を覚えずに解く裏技」で解くことができますが、知識問題を出されると対応できないからです。
しかし、「6つの係数」をどうしても覚えられずに困っている人がいるのも事実。
そういう人は、裏技だけは使えるようにして、計算問題でバッチリ得点してください。
FP3級「6つの係数」まとめ


「6つの係数」は、FP3級試験の大きな壁の一つです。
テキストの序盤に登場し、多くの人がここで時間を消費したり、FP3級の勉強に挫折してしまう原因になるからです。
そのため、「6つの係数」をスムーズにクリアすることは、FP3級攻略の鍵になります。
「6つの係数を覚えずに解く裏技」を使えば、「6つの係数」に関するほとんどの問題を簡単に解くことができるので、大いに活用してください。
※試験問題利用許諾番号2104F000083