こんにちは。インデックス投資歴10年の針井です。
私は10年間、試行錯誤しながらインデックス投資を続けてきた結果、最終的に「現金70%・全世界株式30%」というシンプルな投資方法にたどり着きました。
[box class=”box26″ title=”解説”]「現金70%・全世界株式30%」の運用を始めてからの投資成績はこちらの記事で解説しています。[kanren id=”1924″][/box]
そして、この投資方法は、これからインデックス投資を始めたい人にとっても最適な投資方法であることに気が付きました。
そこで、この記事では、インデックス投資に挑戦してみたい投資初心者のために、インデックス投資のはじめ方を超具体的に解説していきます。
インデックス投資のメリット

インデックス投資を始める前に、インデックス投資のメリットを簡単に確認しておきましょう。
インデックス投資のメリットは、誰でも簡単にできるということと、着実に利益が出るということです。
インデックス投資は、インデックスファンドと呼ばれる投資信託を購入することにより、世界中の株式にまんべんなく投資をして、ほったらかしにするという投資方法です。
そのため、株価を分析をしたりニュースを見たりする必要もありません。
それでいて、長期的には95%のプロよりも良い成績を出せるということが過去の検証からわかっています。
また、世界中の株式にまんべんなく投資をするため、世界経済そのものが成長すれば、誰もが利益を得ることができます。
過去を振り返ってみると、大きな暴落は何度もありましたが、人類は必ずそれを乗り越え、世界経済を成長させてきました。
今後も人類が世界経済を成長させていく限り、インデックス投資を続けている人は、誰もが利益を得ることができます。
このように、インデックス投資は初心者でも簡単に実践できて、しかも着実に利益が出るというメリットがある投資法です。
[box class=”box26″ title=”解説”]インデックス投資についてはこちらで詳しく解説しています。[kanren id=”2030″][/box]
証券会社に口座を開設しよう

インデックス投資のメリットを理解したら、さっそくインデックス投資を始めてみましょう。
インデックス投資を始めるためには、投資信託を購入するために証券会社の口座を開設することが必要になります。
この時、近所の金融機関で口座を開設するのではなく、ネット証券会社で口座を開設することがとても大切です。
なぜなら、最新の手数料の安い投資信託は、経費を節約するために、ネット証券会社限定で販売される流れになっているからです。
そのため、これからインデックス投資をはじめる人は、必ずネット証券会社に口座を開設するようにしましょう。
[box class=”box26″ title=”解説”]手数料はかかりますが、AIにお任せするという方法もあります。[kanren id=”2194″][/box]
おすすめのネット証券会社は楽天証券
ネット証券会社にも色々ありますが、2大巨頭と呼ばれる業界No.1とNo.2の証券会社が、SBI証券と楽天証券
です。
どちらも基本的な機能に違いはなく、安心してインデックス投資ができる大手なので、どちらを選んでも問題ありません。
ただ、あえてどちらかを選ぶなら、最近は楽天証券の方が人気があります。
なぜなら、楽天証券には、楽天カードで投資信託をつみたて投資することで、楽天ポイントが貯まるというサービスがあるからです。
その楽天ポイントを使ってさらに投資信託を購入することもできるので、せっかく投資をするのなら、ポイントが貯まる方がいいですよね。
[box class=”box26″ title=”解説”]ポイント投資についてはこちらで詳しく解説しています。[kanren id=”2015″][/box]
SBI証券はネット証券会社の最大手という安心感がありますが、投資信託を購入する時にポイントが貯まるサービスは、まだ実現していません。
私はもともとSBI証券を使っていたため、SBI証券をメインに使って、楽天証券はサブで使っていますが、もし今から投資信託を始めるとしたら、楽天証券にすると思います。
そこで、この記事では楽天証券でインデックス投資をする方法を解説していきましょう。
[box class=”box26″ title=”解説”]おすすめの証券会社についてはこちらで詳しく解説しています。[kanren id=”1962″][/box]
楽天証券の口座開設を申し込もう
それでは、さっそく楽天証券の口座開設を申し込みましょう。
こちらの楽天証券
のページで必要事項を記入し、申し込んでください。
申し込みは、オンライン上ですべて完結します。
申し込む時のポイントは、
- つみたてNISAを開設すること
- 楽天銀行の口座を開設すること
の2つです。
順番に解説していきます。
つみたてNISAの口座を開設しよう
楽天証券の口座開設申し込みフォームには、NISA口座の選択をするところがあります。
そこでは、つみたてNISAの口座開設を選ぶことをおすすめします。
つみたてNISAとは、年間40万円の投資金額が、購入してから20年間非課税になるという国の制度です。(参考:つみたてNISAの概要 金融庁)
投資信託を売って利益が出ると、本当であれば利益に対して税金を払わなければいけません。
しかし、国民の資産形成を促したい国は、「一定金額までは税金を払わなくても良いですよ」という制度を作ったというわけです。
単純にお得な制度ですので、申し込んでおきましょう。
楽天銀行の口座も開設しておこう
楽天証券の口座開設申し込みと一緒に、楽天銀行の口座開設も申し込むことができます。
こちらも、ぜひ一緒に開設しておきましょう。
楽天銀行と楽天証券を連携させておけば、楽天銀行に預けたお金から投資信託を直接買えたり、楽天銀行の普通預金の金利が高くなったりと、何かと便利です。
楽天証券とセットで申し込めば、手間もかからないのでおすすめです。
楽天カードも申し込もう
楽天証券の口座開設、お疲れさまでした。
さて、ここでもう少しだけ頑張って、やっておいてほしいことがあります。
それが、楽天カードの申し込みです。
先ほども説明した通り、楽天証券では楽天カード決済を使って投資信託を購入することができます。
楽天カードを使って投資信託を購入すると1%の楽天ポイントが貯まり、貯まった楽天ポイントを使ってさらに投資信託を購入することもできます。
このように、楽天証券と楽天カードを組み合わせることで、資産運用を加速させることができるのです。
楽天カードは、日々の買い物で使ってもポイントが貯まりますし、楽天市場で買い物をする時にはポイントが2倍になります。
年会費無料で何かと使えるカードですので、楽天証券で投資をはじめるなら、ぜひとも持っておきましょう。
申し込みはこちらの楽天カードのページから行えます。
インデックス投資の準備をしよう

楽天証券と楽天カードの申し込み、お疲れさまでした。
楽天証券と楽天カードの申し込み手続きが完了するまでは数日かかりますので、その間にインデックス投資の準備をしておきましょう。
インデックス投資をはじめるための準備は、次の2つです。
- 投資する金額を決める
- インデックス投資について勉強する
順番に説明します。
投資する金額を決める
まずは、あなたが持っているお金のうち、どれだけを投資して良いかを決めることにしましょう。
私が10年間のインデックス投資経験の中で導き出した黄金ルールは、自分の資産のうち、70%を現金で持ち、30%を投資するというものです。
[box class=”box26″ title=”解説”]自分の資産のうち、70%を現金で持ち、30%を投資する理由については、こちらで詳しく解説しています。[kanren id=”2089″][/box]
このルールにもとづいて投資をするためには、あなたが今いくらお金を持っているかを確認する必要があるので、まずは通帳を記帳してきてください。
通帳を記帳してきたら、全部でいくら持っているか計算します。
そして、その30%が、あなたが投資して良い金額です。
あなたの貯金額 | 投資して良い金額 |
---|---|
100万円なら・・・ | 30万円を投資できる |
500万円なら・・・ | 150万円を投資できる |
1000万円なら・・・ | 300万円を投資できる |
インデックス投資の勉強をしよう
あなたが投資して良い金額を計算することができましたか?
これで、投資をする準備はできたのですが、もしかしたら、まだ楽天証券や楽天カードの申し込みが完了していないかもしれませんね。
そういう人は、今のうちに、ちょっとだけインデックス投資の勉強をしておきましょう。
私のサイトのトップページには、インデックス投資に役立つ記事を並べてありますので、こちらを順番に見ていただいても良いと思います。(もちろん、すべて無料です。)
また、「本で勉強したい」という人には、インデックス投資の最初の1冊として、超ど素人がはじめる資産運用をおすすめします。
この本では、「投資信託って何?」「円高・円安ってどういうことだっけ?」「資産運用ってどうやるの?」といった投資の超基本について解説されています。
申し込みがまだ完了していない人は、その間にこういう本を1冊読んで、知識を身につけておきましょう。
[box class=”box26″ title=”解説”]インデックス投資のおすすめ本については、こちらで詳しく解説しています。[kanren id=”1933″][/box]
つみたて投資をはじめよう

楽天証券や楽天カードの申し込みが完了したら、いよいよつみたて投資をはじめてみましょう。
楽天証券を申し込む時に、税金が免除されるつみたてNISAの口座を申し込んでいるはずなので、まずはそちらを積極的に使っていきます。
つみたてNISAの設定方法は、楽天証券のつみたてNISA取引ガイドを確認してください。
つみたて投資をする時のポイントは、次の3つです。
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を購入すること
- 楽天カードクレジット決済を利用すること
- 投資金額が自分の資産の30%以内になるように調整すること
順番に解説していきます。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を購入しよう
つみたて投資をするためには、どの投資信託を購入するかを決めなくてはいけません。
そこでおすすめするのは、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)という投資信託(インデックスファンド)です。
私も、つみたてNISAでは、このeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)1つだけしか購入していません。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、その名の通り、全世界の株式にまんべんなく投資をしてくれる投資信託です。
そのため、他に投資信託を買わなくても、これ1つだけでバランスの取れた投資ができます。
全世界の株式に投資ができる投資信託は他にもありますが、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)はその中でも1番手数料が安く、人気の高い投資信託のためおすすめしています。
[box class=”box26″ title=”解説”]eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)をおすすめする詳しい理由については、こちらで詳しく解説しています。[kanren id=”2042″][/box]
楽天カードクレジット決済を利用しよう
購入する投資信託を選んだら、つみたて投資のお金を支払う引き落とし方法を設定します。
その時に、楽天証券の口座開設と一緒に申し込んだ楽天カードを使って、クレジット決済を利用しましょう。

楽天カードのクレジット決済なら、100円につき1ポイントの楽天スーパーポイントが貯まります。
この楽天カードクレジット決済を利用するために楽天証券を選んだようなものなので、間違えずに設定しましょう。
投資金額が自分の資産の30%以内になるように調整しよう
購入する投資信託と引き落とし方法が決まったら、次は投資する金額を設定します。
投資金額は、先ほど計算した通り、自分が持っている全財産の30%を上限とします。
例えば、資産が100万円の人は、次のようなプランはいかがでしょうか?
月 | つみたて金額 | 投資合計金額 |
---|---|---|
3月 | 30,000円 | 30,000円 |
4月 | 30,000円 | 60,000円 |
5月 | 30,000円 | 90,000円 |
6月 | 30,000円 | 120,000円 |
7月 | 30,000円 | 150,000円 |
8月 | 30,000円 | 180,000円 |
9月 | 30,000円 | 210,000円 |
10月 | 30,000円 | 240,000円 |
11月 | 30,000円 | 270,000円 |
12月 | 30,000円 | 300,000円 |
12月でいったん、全資産の30%である30万円に到達したので、いったんつみたては終了します。
リバランスでリスク管理をしよう

さて、インデックス投資はほったらかしにできるのがメリットですが、1年に1回だけやってほしいことがあります。
それが、リバランスというものです。
リバランスとは、崩れてしまった資産の配分を、理想的な資産の配分(現金70%・全世界株式30%)に戻してあげる作業のことを言います。
例えば、つみたて投資で自分の資産の30%を全世界株式に投資したとしましょう。
その後、投資した株式の株価が爆上げすれば、あなたの資産の中の全世界株式の割合は上がります。
株価が変わらなかったとしても、あなたが頑張って貯金をすれば、あなたの資産の中の現金の割合が増えているかもしれませんね。
このように、あなたの資産の中の現金と全世界株式の割合は、日々変わっていきます。
あまりにバランスが崩れてしまうと、予定よりもリスクが高くなってしまったり、逆に期待できる利益が少なくなってしまったりするので、1年に1回くらいはバランスを整えることが大切なのです。
[box class=”box26″ title=”解説”]リバランスについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。[kanren id=”2089″][/box]
それでは、具体的なリバランスのやり方を見ていきましょう。
リバランスを年1回・1月に行う方法
リバランスは、毎月・毎日する必要はありません。
少しくらいのバランスの崩れは、ほとんど誤差のようなものだからです。
私は、1年に1回、しかも、1月にリバランスを実践しています。
なぜ1月が良いのかというと、年末年始は仕事が休みなので時間に余裕があるというのと、つみたてNISAの非課税枠が1月(新年)に復活するからです。
リバランスをするためには、まずは銀行の通帳記帳をして、自分が持っている現金の金額を確認します。
次に、楽天証券にログインして、投資信託の現在の評価額を確認します。
そして、2つの金額を比較して、自分の資産の内訳が、現金〇%で全世界株式が〇%なのかを計算してください。
どうですか?自分の資産の内訳はわかりましたか?
自分の資産の現金と全世界株式の割合がわかったら、いよいよリバランスです。
リバランスは、次の2つの場合にわけて説明します。
- 現金が70%以上・全世界株式が30%未満
- 現金が70%未満・全世界株式が30%以上
①現金が70%以上・全世界株式が30%未満
現金が70%以上あり、全世界株式が30%未満になっている場合は、追加投資を行って、現金70%・全世界株式30%の割合に近づけてあげます。
例えば、こんな感じです。
現在の現金 | 現在の株式 | 追加投資金額 | 1ヶ月の積立額 |
---|---|---|---|
82万円 | 18万円 | 12万円 | 1万円 |
そして、来年の1月にまたリバランスをするのです。
②現金が70%未満・全世界株式が30%以上
上の例とは逆に、現金が少なくなって、全世界株式が多くなっている場合もあります。
株価が急激に上昇して投資信託の評価額が上がった場合や、大きな買い物をして現金が少なくなってしまった時です。
この場合は、少しもったいない気もしますが、投資信託を売却してバランスを戻します。
例えば、こんな感じです。
現在の現金 | 現在の株式 | 売却金額 |
---|---|---|
50万円 | 50万円 | 20万円 |
割合が少なくなった現金をそのままにしておくと、万が一暴落が発生した時に、手元にある現金が思っていたよりも少なくて困ることになります。
現金が増えたらまた投資すれば良いので、無理をしないようにしましょう。
リバランスしなくても良い場合
年に1回リバランスを行う時に、理想的な資産配分(現金70%・全世界株式30%)から少ししかずれていない場合は、無理にリバランスをする必要はありません。
なぜなら、1%や2%のズレであれば、誤差と考えてほっておいても、困ることはないからです。
理想的な現金と株式の割合から5%以上ズレていれば、リバランスを考えた方が良いと思います。
臨時リバランスをした方が良い場合
1年に1回のリバランスの他に、臨時でリバランスをした方が良い場合もあります。
それは、大きな買い物をして、資産配分に大変動が発生した場合です。
例えば、家を購入した場合を考えてみましょう。
時期 | 現金の額 | 株式の額 | 現金の割合 | 株式の割合 |
---|---|---|---|---|
家を購入する前 | 2800万円 | 1200万円 | 70% | 30% |
家を購入した後 | 300万円 | 1200万円 | 20% | 80% |
家を購入する前は、現金70%・株式30%の理想的な割合でした。
しかし、家を2,500万円で購入した結果、現金20%・株式80%という超ハイリスクな資産配分になってしまいました。
家を購入したのが12月なら、1月までリバランスを待っても良いかもしれません。
しかし、2月に家を買ったとしたら、次の年の1月までこの割合で運用するのは怖すぎますよね。(;^ω^)
このように、劇的な資産配分の変化をもたらす買い物があった場合は、臨時リバランスをした方が安全だと思います。
インデックス投資を続ける方法

インデックスファンドを購入して、インデックス投資を始めることができたら、後はリバランスをしながら末永くインデックス投資を続けていけばOKです。
しかし、実はインデックス投資は、続けることができずに途中でやめてしまう人がとても多い投資法なんです。
そこで、この章では、どうしてインデックス投資を続けることができないのか?続けるためにはどうすれば良いのかについて解説していきます。
インデックス投資を続けられない理由
私は、インデックス投資を10年間続けてきました。
インデックス投資家の中では、長く続けている方だと思います。
しかし、インデックス投資をしていく中で、実際にやめそうになったこともたくさんあり、インデックス投資を続けていく難しさを実感しています。
インデックス投資を続けるのが難しい理由は、主に次の2つです。
- 株価暴落で怖くなってしまう
- 退屈で他の投資方法に変えてしまう
どういうことなのか、順番に解説していきましょう。
①株価暴落で怖くなってしまう
銀行にお金を預けていても、1ヶ月で増えるお金は0.001%ぐらいと本当にわずかです。
しかし、インデックス投資で株式に投資をすれば、調子が良ければ1ヶ月で2%とか3%とか儲かることがあるんですね。
そこで初心者はこんな風に考えてしまいます。
「インデックス投資すげえじゃん!このまま行けば1年で10%だ!こんなに儲かるんだったら、もっとお金を投資しないと損だ!」
このように欲が出てしまい、ついついお金をつぎ込んでしまいます。
しかし、投資は良い時もあれば悪い時もあります。
調子の良い時は本当に寝て起きたらお金が増えている状態なのですが、調子の悪い時は突然やってきます。
次のグラフを見てください。

これは、2008年の先進国株式投資信託の価格推移です。
2008年秋にアメリカの大きな銀行が破綻するリーマンショックという大事件があり、世界中の株価が暴落したのです。
株価はあっという間に、60%も下がってしまいました。
このリーマンショック発生前までは世界の株価は比較的順調に上がってきており、インデックス投資家は誰もこんなに株価が下がるとは思っていませんでした。
その結果、インデックス投資家たちはどこまで下がるかわからない株価を前にパニックを起こして投資信託を売却。
インデックス投資をすすめていたインデックス投資ブロガーには批判が殺到しました。
お金は寝かせて増やしなさいの著者で、長年インデックス投資ブログを運用されている水瀬ケンイチさんは、当時のことを次のように振り返ります。
私のブログにも、インデックス投資を紹介してきたことに対する誹謗中傷の嵐が吹き荒れました。
(中略)
特に悲しかったのは、それまでブログのコメント欄の常連さんで、「インデックス投資万歳!」と言っていた方が豹変し、「水瀬は死ね」などと中傷コメントを書いてきたことです。
「お金は寝かせて増やしなさい」より引用
当時のインデックス投資家たちの混乱が良く伝わってきますね。
株価の暴落は、後からチャートを見れば、「あのあたりが暴落の底だったんだな。」ということがわかります。
しかし、暴落をリアルタイムで経験している人は、「いったいどこまで下がるのか?」という想像を絶する恐怖にさらされているわけです。
生半可な精神力やリスク管理では耐えられず、多くの人が恐怖に負けて売却してしまうのでしょう。
インデックス投資の世界では、
- 「インデックス投資だと簡単に儲かるらしい」と聞いて新規参入
- 好調相場で実際に儲かる
- 暴落で大損失が発生してほとんどの人が退場
- 相場が回復
- 「インデックス投資だと簡単に儲かるらしい」と聞いて新規参入
ということが繰り返されているのではないかと思います。
②退屈で他の投資方法に変えてしまう
インデックス投資は、暴落が発生した時に、多くの人が耐えられずにやめてしまうというお話をしました。
しかし、インデックス投資は、暴落の時だけでなく、相場が好調な時でも多くの人がやめてしまいます。
その理由は、インデックス投資が退屈で、他の投資方法に変えたくなってしまうからです。
インデックス投資は、一度投資信託の設定をすると、ほとんど何もすることがありません。
また、日々の値動きも、通常であれば1%あるかないかの非常に穏やかなものです。
そのため、「手っ取り早くお金儲けしたい」というせっかちな人は、とても退屈でもどかしい投資方法だと感じてしまいます。
そんな中、ネットやTwitterを見ていると、
- 私は仮想通貨で短期間で〇倍に増やした!
- FXで月収100万円を稼ぐ手法を確立!
- インデックス投資でお金持ちにはなれない!
- 個別株の集中投資で1億円達成!
などなど、インデックス投資をやめて飛びつきたくなる情報がこれでもかというくらい溢れています。
最初はインデックス投資で頑張ろうと考えていた人も、「しっかり勉強すればこっちの方が稼げるかもな・・・。よーし!いっちょやってみるか!」と、あっという間に派手な投資方法へと変えてしまうのです。
こうしてインデックス投資を捨て、仮想通貨やFX、個別株の世界に飛び込んで行ってしまう人は後を絶ちません。
そして、そういう人がみんな億万長者になれたのかというと、結果は言うまでもありません。
インデックス投資を1日でも長く続けるべき理由
このように、インデックス投資を10年・20年と長い期間にわたって続けていくのは、多くの人にとって難しいのが実情です。
しかし、インデックス投資は、1日でも長く続けるべきです。
なぜなら、インデックス投資は長く続ければ続けるほど、利益が出る投資方法になっているからです。
インデックス投資を長く続けるべき理由について、
- インデックス投資の過去の実績
- インデックス投資の複利の威力
上記2つの観点から説明しましょう。
①インデックス投資の過去の実績
インデックス投資を長く続けることがいかに大切かを説明するために、過去の実績を見てみることにしましょう。
先ほども登場した、SMTグローバル株式インデックス・オープン(先進国の株式に投資する投資信託)の長期のグラフを見てみましょう。

2008年から2020年まで、およそ12年間投資をした場合、最初に100万円を投資していたら、そのお金は2倍の200万円まで増えています。
それでは、2008年から5年で投資をやめてしまっていたらどうなったでしょうか。

このように、儲かるどころか、100万円のお金が80万円になり、20万円も減ってしまっています。
これはもちろん、投資を始めた直後にリーマンショックという金融危機が発生し、株価の大暴落が発生したからです。
「この暴落さえなかったら、5年でも儲かっているはずだ!」という意見はもっともです。
しかし、過去をさかのぼってみた時、5年では損をしていたインデックス投資が、12年頑張れば2倍になっていたのもまた、歴史上の事実なのです。
どうしてこういうことが起こるのか?
それは、そもそも株式市場というものが、時に暴落も発生しながら、長い時間をかけて右肩上がりに成長していくという性質のものだからです。
長い期間投資をする方が利益が出やすいのは、そもそも株式市場がそういう性質だからなのです。
② インデックス投資の複利の威力
次に、インデックス投資の複利の観点から、インデックス投資を長く続けることの大切さを見ていきましょう。
複利とは、投資で増えたお金を再投資することで、再投資したお金にも利益が出るため、雪だるま式に利益がふくらんでいくことを言います。
次の表は、インデックス投資を10年すれば、投資したお金が2倍になると仮定した時に、投資金額がどのように増えていくかを表したものです。
年数 | 投資金額 | 過去10年の増加額 |
---|---|---|
0年 | 100万円 | ー |
10年 | 200万円 | +100万円 |
20年 | 400万円 | +200万円 |
最初に100万円を投資した場合、10年後には2倍の200万円になります。
この時に増えたお金は+100万円です。
さらにインデックス投資を10年続けたとしましょう。
投資したお金はまた2倍になって、400万円になりました。
この時に増えたお金は+200万円です。
このように、同じ条件で投資をしているにもかかわらず、前半の10年と後半の10年を比べた場合、後半の10年の方が増えるお金の量が2倍になっています。
これは、最初の10年で増えたお金を再投資することで、その増えたお金に対しても利益が出るからです。
これが、インデックス投資を長く続けた時に現れる複利の威力です。
複利の威力を味方につけるためには、インデックス投資をできるだけ長く続けることが大切なのです。
インデックス投資を続ける方法
このように、インデックス投資は長く続ければ続けるほど、たくさんの利益が出る投資方法です。
しかし、インデックス投資を続けていく間には暴落も発生しますし、インデックス投資自体が退屈な投資方法のため、より刺激的な投資方法に変えたくなってしまう人も多いです。
そこで、インデックス投資をできるだけ長く続けていくために大切になるポイントをお話ししたいと思います。
インデックス投資を長く続けるためのポイントは、次の2つです。
- リスク管理を徹底する
- インデックス投資を勉強する
順番に解説していきましょう。
①リスク管理を徹底する
インデックス投資をやめてしまう原因の1つが、暴落の時に怖くなってしまうことです。
暴落が発生する時は、ニュースなどでも「底が見えない」とか、「さらなる下落の可能性」などと言われ、世間一般の空気が悲観的になります。
こんな時に、インデックスファンドにたくさんのお金を投資しすぎている人は、「私のお金がなくなってしまうかも!」という恐怖に耐えられなくなって、インデックス投資をやめてしまうのです。
しかし、こうした暴落の時の恐怖は、しっかりとリスク管理をすることで、ほとんどコントロールすることができます。
例えば私は、自分の資産のうち、70%を現金に、30%を全世界株式にしています。
これなら、仮に全世界の企業が倒産したとしても、私の資産の70%は守られるわけです。(実際は、全世界の企業が倒産したら現金の価値もなくなるとは思いますが。)
暴落の時に「私のお金がなくなっちゃう!」と真っ青になってしまうのは、自分の資産のうち、10%を現金に、90%を株式にしているような、リスクを取り過ぎている人たちです。
投資をしている人たちの間では、株式市場が上昇している時に現金の割合を多くしていると、「儲ける機会をみすみす逃しているマヌケな人」みたいに見られる風潮は確かにあります。
しかし、一時的に儲かったとしても、たった1度の暴落で投資が続けられなくなってしまっては意味がないのです。
インデックス投資をする場合は、株式市場が好調な時でも、けっしてリスクを取り過ぎないようにすることが大切です。
[box class=”box26″ title=”解説”]インデックス投資のリスク管理については、こちらの記事で詳しく解説しています。[kanren id=”2089″][/box]
②インデックス投資を勉強する
暴落が発生していない相場が好調な時でも、インデックス投資をやめてしまう人たちがいます。
それは、「インデックス投資は短期的にはあまり儲からない。もっと儲かる方法があるんじゃないか?」と考えて、違う投資方法に移ってしまう人たちです。
現代はネットやTwitterなどで、「月利〇〇%を達成するFX取引手法を開発した!」とか、「〇〇投資で1億円達成!」なんていう真偽不明の情報が飛び交っています。
こうした言葉に踊らされ、「自分ももっと儲けたい!」とそっちの世界に飛び込んでしまう人のなんと多いことか。
これらの情報が本当なら、日本中で若い億万長者が誕生しまくっているはずですが、そういう様子もありません。
実は、投資というのは古くから経済学の研究の対象となっていて、「〇〇投資で安定して月利20%!」みたいな話は、ほとんど不可能であることが明らかになっています。
インデックス投資はそういった研究者たちの知恵から生まれた投資方法なのです。
インデックス投資をしっかり勉強すれば、インデックス投資以外の方法で大儲けすることがどれほど難しいのか、理解することができます。
そうすれば、変な投資詐欺に引っかかることもないでしょう。
私は、インデックス投資以外の方法で大儲けを狙うことがいかに難しいかがわかる良書として、「ウォール街のランダム・ウォーカー」をおすすめしています。
ただ、この本は【インデックス投資上級者】向けの本となってまして、投資の初心者が読むには難しい本です。
そこで、インデックス投資初心者の場合は、【初級】【中級】の本から順番に勉強することをおすすめします。
[box class=”box26″ title=”解説”]インデックス投資のおすすめ本については、こちらの記事で詳しく解説しています。[kanren id=”1933″][/box]
「インデックス投資なんかよりも短期間で大儲けする秘密の投資方法があるんじゃないか?」と有料noteや情報商材を探している人に、1つだけ忠告しておきます。
仮にそういう方法があったとして、ライバルが増えるのに、わざわざ他人に教えようと思いますか?
自分はその方法で十分にお金持ちになったから、他人に公開しようと考える人たちもいるかもしれません。
では、そういう人たちは、どうして高額な値段をつけて有料noteなどで売るのでしょう?
なぜ有料noteでも稼ぐ必要があるのでしょうか?
ちなみに、私がインデックス投資で利益が出ることを公開する理由は、非常にシンプルです。
インデックス投資は、どれだけマネをされても、私自身が一切損しない投資法だからですね。
インデックス投資の終わらせ方~出口戦略について~

こうして何十年に渡ってインデックス投資のつみたて投資を続けていったとしても、人はいつかは退職し、これまで蓄えた資産を取り崩しながら生活する時期が来ます。
その時に、どのようにインデックスファンド(投資信託)を取り崩して使っていくかという戦略が、出口戦略と呼ばれるものです。
私が考える出口戦略のポイントは、次の4つです。
- 引退したら、年金をもらいながら、できるだけ年金の範囲で暮らす。
- 現金70%・全世界株式30%のアセットアロケーションで運用を続ける
- 自分の保有資産の状況を見ながら、必要なお金は必要な時に使う
- 資産を維持するためには、年間2%までしか取り崩せないことを知っておく
この4つのポイントを押さえておけば、老後に暴落が起きてもあわてることなく、物価の変動にも対応できる資産管理ができるはずです。
[box class=”box26″ title=”解説”]インデックス投資の出口戦略については、こちらの記事で詳しく解説しています。[kanren id=”2141″][/box]
インデックス投資を始めたばかりの人にとっては遠い未来の話ですが、必ず必要になる知識ですので、知っておいてください。
インデックス投資のはじめ方まとめ

証券会社の口座開設や、つみたて投資の設定、お疲れ様でした!
インデックス投資は、ポイントを押さえれば、初心者の人でも簡単にプロにも負けない資産運用ができる優れた投資法です。
しっかり長期で続けることさえできれば、きっと大きな成果が出ると思います。
インデックス投資を続けていくのは意外と簡単ではありませんが、ぜひ一緒に頑張っていきましょう。
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