他社がeMAXIS Slimシリーズに勝つ方法は?インデックスファンドの直販に期待。

アイデア

個人向けインデックスファンドの残高でシェア1位となっているのが、三菱UFJ国際投信です。

個人向けインデックス投信の残高
出典:激闘!インデックス投信 ネットや銀行・生保系躍進(週刊エコノミストOnline)

その三菱UFJ国際投信は、「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続けるファンド」をコンセプトにしたeMAXIS Slimシリーズを投入し、さらなるシェア拡大を狙った施策を打ち出しています。

インデックスファンド市場のシェアを独占しようとする積極的な動きを見せる三菱UFJ国際投信。

はたして、他社はそれに対抗する術はあるのでしょうか?

インデックスファンド業界の活性化を望む筆者が、僭越ながら、eMAXIS Slimシリーズに他社がどう対抗すべきか、考えてみました。

他社がeMAXIS Slimシリーズに勝つ方法を考えてみた。

他社がeMAXIS Slimシリーズに対抗するためには、指数販路で差別化するしかないと私は考えています。

どういうことなのか、解説していきますね。

コスト真っ向勝負は勝ち目なし!

インデックスファンドの競争の歴史と言えば、何と言っても信託報酬の引き下げ合戦です。

他社よりも0.01%でも安い信託報酬のインデックスファンドを設定する。

そうやって、日本のインデックスファンドは発展してきました。

しかし、シェア1位を握る三菱UFJ国際投信は、「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続けるファンド」をコンセプトに、他社が信託報酬の安いファンドを設定したり、信託報酬の引き下げを行った場合は、信託報酬の引き下げで追随するeMAXIS Slimシリーズを投入しました。

実際に、他社が信託報酬の引き下げや、信託報酬の安い新ファンドの設定をした場合、即座に反応してeMAXIS Slimシリーズの該当商品の信託報酬を引き下げるという実績を何回も作っています。

こうなると、シェアで劣る他社が、真っ向からコスト勝負に出るのは非常に厳しいものがあります。

他社がeMAXIS Slimシリーズで勝つには差別化するしかない!

このように、コストを下げて投資家にアピールしても、eMAXIS Slimシリーズにすぐ追随されてしまいます。

そこで、他社は、eMAXIS Slimシリーズに簡単に追随されないような差別化を行わなければなりません。

具体的に、次の3つを考えました。

  1. eMAXIS Slimが連動させていない指数で勝負する
  2. 窓口販売の市場で戦う
  3. 直販サービスで超低コストを実現する

順に見ていきましょう。

①eMAXIS Slimが連動させていない指数で勝負する

日本のインデックスファンドは、MSCIの指数をベンチマークにすることがほとんどですが、他にもバンガードなどが採用しているFTSEの指数もあります。

eMAXIS SlimもほとんどのインデックスファンドのベンチマークとしてMSCIの指数を採用しており、今後FTSEに連動したインデックスファンドを新たに設定することは考えにくいでしょう。

他社はそこを突くことで、eMAXIS Slimシリーズと差別化することができます。

例えば、最近、日本株を含む全世界株式型のインデックスファンドの人気が徐々に高まっており、eMAXIS Slimシリーズも、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を運用しています。

この投資信託は、ベンチマークにMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスを採用しています。

しかし、この指数は、全世界の大型株と中型株にしか投資をしておらず、全世界の株式時価総額のカバー率は85%程度。

それに対して、小型株にも投資を行い、全世界の株式時価総額のおよそ98%をカバーする指数があります。

それが、かの有名なバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(通称VT)もベンチマークに採用する、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスです。

MSCI ACWIで全世界株式タイプのインデックスファンドを立ち上げたeMAXIS Slimが、FTSEの指数で再度、全世界株式タイプのインデックスファンドを立ち上げることは考えにくいでしょう。

他社はそこを突き、

  1. eMAXIS Slimが採用するMSCI ACWIには小型株が入っておらず、全世界の時価総額をカバーしきれていないこと。
  2. FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動する当社のインデックスファンドこそ、全世界株式をカバーするファンドとしてふさわしいこと。
  3. 小型株を取り入れることでパフォーマンスが改善される歴史的傾向がみられること。(小型株効果)

などを投資家に訴求してみるというのはいかがでしょうか。

もちろん、FTSEのマザーファンドを持っている運用会社なんて日本にはないでしょうから、全部新設することになります。

実際問題として難しいかもしれません。

しかし、eMAXIS Slimシリーズと同じ指数を使い、コストで真っ向勝負を挑んでも、規模で劣る2位以下の会社では玉砕することは目に見えています。

②窓口販売の市場で戦う

三菱UFJ国際投信は、ネット販売用の低コストインデックスファンドシリーズとして、「eMAXIS Slimシリーズ」を、郵便局の窓口など金融機関でも買えるインデックスファンドシリーズとして「eMAXISシリーズ」を展開しています。

今後、確実に伸びていくのはネットを通じた取引だと思いますが、窓口販売も必ず一定の需要は残るはずです。

窓口販売を想定した「eMAXISシリーズ」は、比較的、信託報酬も高く、新商品の開発も積極的には行われていません。

例えば、eMAXISシリーズでは、日本を含む全世界株式タイプやS&P500に連動するタイプのインデックスファンドは存在しないようです。(Slimにはあります。)

三菱UFJ国際投信が窓口販売用の商品にそれほど力を入れているようには見えないので、そこを充実させて窓口販売の市場で戦うという作戦です。

③直販サービスで超低コストを実現する

他には、思い切って直販サービスを使って低コストで突き抜けるという方法も考えられます。

三菱UFJ国際投信は、mattoco(マットコ)という証券会社を通さない直販サービスをスタートさせました。

三菱UFJ国際投信の直販開始のニュースにインデックス投資家の期待は膨らみましたが、蓋を開けてみれば、ネット証券会社で購入するよりも信託報酬が有利になるわけでもなく、ある意味、一部のインデックス投資家の期待を裏切った形になりました。(mattocoのコンセプトは、信託報酬の安さ追求ではなく、初心者にわかりやすいラインナップを提示するという目的の方が強かったため。)

この経験を生かし、信託報酬の安さを期待するインデックス投資家の期待にこたえる形で、信託報酬の安さを追求する直販サービスが誕生しても面白いのではないでしょうか。

直販サービスなら、販売会社と信託報酬を折半する必要がありません。

そのため、eMAXIS Slimシリーズが追随できないレベルでの信託報酬の安さを実現できる可能性があります。

また、追随されたとしても、販売会社に信託報酬を支払う必要がないため、利益構造上の優位性があります。

すでに多くの販売会社を通じてインデックスファンドを販売している運用会社にとっては、直販サービスを開始して、販売会社から購入するよりも安いコストで販売することは、販売会社への裏切り行為になります。

そのため、規模の大きな会社にとっては、コストの安い直販サービスを始めることは難しいでしょう。

規模の小さな運用会社にこそ、チャンスがあると思っています。

まとめ

以上、完全に素人のおせっかいですが、インデックスファンド業界の活性化を望むインデックス投資家として、どうすれば他社がeMAXIS Slimシリーズに対抗できるのかを考えてみたので、ご紹介させていただきました。

1つ目の方法は、eMAXIS Slimシリーズと同じ土俵で戦わないために、ユニークな指数に連動したインデックスファンドを作ること。

2つ目の方法は、eMAXIS Slimシリーズが売られていない、金融機関の窓口用の商品で戦うこと。

3つ目の方法は、直販サービスを使ってeMAXIS Slimシリーズよりも有利な利益構造を作り、徹底的なコスト勝負に持ち込むことです。

個人的には、3つ目の直販サービスを使った方法が登場するのを期待しています。

言うなれば、ひふみ投信のインデックスファンドバージョンが登場するようなイメージです。

志のあるファンドマネージャーによって、インデックスファンドの独立系投資信託会社が誕生すれば、個人的にはすごく応援したいですし、応援してくれるインデックス投資家もたくさんいると思いますし、単純にコストが安ければ買ってくれる人も出てくると思います。

まあ、問題は、初期はものすごく利益が出なさそうということなんですけどね・・・。

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