
こんにちは。FP3級に93.3%の得点で合格した針井です
- FP3級の債券利回り問題の解き方がわからない!
- 債券利回りの公式が覚えられない!
- 債券利回りの計算は捨てようと思っている・・・
FP3級の債券利回り問題には次のような公式がありますが、複雑でなかなか覚えられないですよね。


しかし、債券利回り問題は、たった1つのコツを知っていれば、公式を覚えなくても解くことができます。
1年分の利益を購入金額で割る
これだけ知っていれば、FP3級の債券利回り問題は得点源になりますよ!
FP3級債券利回りの超簡単な計算方法


FP3級の債券利回り問題は、次の1行を覚えておくだけで対処できます。
1年分の利益を購入金額で割る
利回りというのは、「1年で何%儲かったか?」という意味でしかないからです。


それでは、債券利回り問題の具体的な解き方についてわかりやすく説明しますね。
FP3級債券利回りの計算手順
FP3級の債券利回り問題は、たった2つのステップで解くことができます。
債券の利益には、①利息②購入時と償還時(売却時)の差額の2種類があります。
STEP1で計算した1年分の利益を購入金額で割ります。
複雑に見える公式も、実際には上記の2ステップをわざわざ難しい言葉で表現しているだけです。
それでは、次の例題をもとに実際に解いてみましょう。
【例題】(2014年5月学科試験)
表面利率(クーポンレート)1%、残存期間4年の固定利付債券を、額面100円当たり98円で購入した場合の単利最終利回りは、( )である。なお、答は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入している。
- 1.53%
- 2.50%
- 4.50%



いっしょに考えてみよう
1年分の利益を計算
まずは最初のステップとして、 「1年分の利益」を計算してみましょう。
債券の利益には、次の2つがあります。
- 利息
- 購入時と償還時(売却時)の差額
例題の債券の利率は1%で、額面は100円ですから、毎年もらえる利息は1円になります。
100円×1%=1円
また、額面100円で残存期間4年の債券は、4年後に100円で償還されます。
この債券を98円で購入しているので、4年後に2円得することになりますね。
100円-98円=2円
4年で2円得するわけですから、1年分の利益は0.5円と考えることができます。
2円÷4年=0.5円
したがって、この債券の1年分の利益は、合計1.5円になるわけです。
1円(利息)+0.5円(購入時と償還時の差額)=1.5円



これで1年分の利益がわかったね!
1年分の利益を購入金額で割る
1年分の利益が「1.5円」だとわかったら、それを購入金額で割りましょう。
問題文を読むと、購入した金額は98円なので、次のような計算になります。
1.5円÷98円=0.01530・・・
%にするために100をかけると、次のようになります。
0.01530×100=1.530%
よって、①1.53%が正解です。(答は%表示の小数点第3位を四捨五入)



カンタンでしょ?
債券利回りの公式を覚える必要なし
債券利回りの問題を解くときは、複雑な公式を暗記する必要はありません。
公式を丸暗記しなくても、「利回り=1年分の利益÷購入金額」という考え方を理解していれば解けるからです。
債券の利益には、①利息②購入時と償還時(売却時)の差額の2種類があります。
STEP1で計算した1年分の利益を購入金額で割ります。
この2つのステップで、公式を暗記しなくても問題が解けるようになりますよ!
FP3級債券利回り問題の実践解説


債券利回り問題の解き方が理解できたところで、もう1問、違うパターンの過去問を実践解説してみましょう。
どんな問題でも、大切なのは「利回り=1年分の利益÷購入金額」という考え方です。
債券の利益には、①利息②購入時と償還時(売却時)の差額の2種類があります。
STEP1で計算した1年分の利益を購入金額で割ります。
それでは、次の例題をいっしょに考えてみましょう。
【例題】(2019年9月学科試験問題)
表面利率(クーポンレート)1.2%、残存期間4年の固定利付債券を、額面100円当たり101円で購入し、2年後に額面100円当たり100円で売却した場合の所有期間利回り(単利)は、( )である。なお、税金や手数料は考慮しないものとし、答は%表示の小数点第3位を四捨五入している。
- 0.69%
- 0.73%
- 0.87%
1年分の利息を計算
まずは最初のステップとして、 「1年分の利益」を計算してみましょう。
債券の利益には、次の2つがあります。
- 利息
- 購入時と償還時(売却時)の差額
例題の債券の利率は1.2%で、額面は100円ですから、毎年もらえる利息は1.2円になります。
100円×1.2%=1.2円
また、この債券を101円で購入し、2年後に100円で売るので、2年後には1円損することになりますね。
100円-101円=-1円
2年で1円損するわけですから、1年分の利益はー0.5円と考えることができます。
-1円÷2年=-0.5円
したがって、この債券の1年分の利益は、合計0.7円になるわけです。
1.2円(利息)-0.5円(購入時と売却時の差額)=0.7円



債券を売った時に損するパターンもあるからね
1年分の利益を購入金額で割る
1年分の利益が「0.7円」だとわかったら、それを購入金額で割りましょう。
問題文を読むと、購入した金額は101円なので、次のような計算になります。
0.7円÷101円=0.00693・・・
%にするために100をかけると、次のようになります。
0.00693×100=0.693%
よって、①0.69%が正解です。(答は%表示の小数点第3位を四捨五入)



さっきの問題より少し難しかったかな?
すべての債券利回り問題に対応可能
この記事で紹介した解き方は、すべての債券利回り問題に対応することができます。
なぜなら、利回りの本質を理解して解くための方法だから。
1年分の利益を購入金額で割る
債券利回りを要約したこのポイントさえ覚えておけば、どんな問題が来ても怖くありませんよ!
FP3級債券利回り練習問題


最後に、パターンの違う債券利回り問題をもう1問解いてみましょう
どんな問題でも、大切なのは「利回り=1年分の利益÷購入金額」ということを忘れないで。
債券の利益には、①利息②購入時と償還時(売却時)の差額の2種類があります。
STEP1で計算した1年分の利益を購入金額で割ります。
まずは自分の力で挑戦してみてくださいね!
練習問題
【問題】(2016年5月学科試験)
表面利率(クーポンレート)0.6%、残存期間8年の固定利付債券を、額面100円当たり106円で購入した場合の最終利回り(単利)は、( )である。なお、答は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入している。
- -0.14%
- 0.14%
- 1.27%
FP3級債券利回りの解き方まとめ


FP3級で債券利回り問題を苦手にしている受検生は多いようです。
なぜなら、参考書には複雑な公式が載っていて、それを覚えるように書かれているから。
しかし、利回りの本質を理解すれば、公式を暗記しなくても解けるようになります。
1年分の利益を購入金額で割る
こうして暗記する量を減らしていけば、FP3級の合格もグッと近くなりますよ!
FP3級に合格するコツは、覚える量を減らすこと。詳しくは次の記事を参考にしてください。
»「FP3級が覚えられない!」その悩み解決します|計算式や公式の暗記・覚え方
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